旬の食材を食べましょう!
クォリーヴァ 主宰 管理栄養士
地中海食研究家 貴堂 明世
6月の雨天が多くなる時期を「梅雨入り」や「入梅(にゅうばい)」と言います。本来は春が終って夏(初夏)が始まることを意味していました。それにしてもなぜ「梅雨」なのかいうと、この時期は梅の実が熟す頃であることからきているのです。この時期はお店に青梅が出まわり、梅の木をお持ちの方から実をたくさんいただくこともあります。ところが青梅は酸味が強く、少量の毒注1)が含まれているため生食することはできません。昔からひと手間もふた手間もかけて加工して毒を分解し、梅干し、梅酢、梅酒、梅肉エキス、ジャム、シロップなどさまざまな形で食してきました。また、梅の実の加工品は漢方薬としても使われ、抗酸化効果や食欲増進作用ほか夏の暑さを耐え忍ぶための大切な保存食でもありました。少し酸味が強い果物ですが、湿気の高くなるこの季節にさわやかな風味を届けてくれます。
もう一つ旬の食材は、日本の代表的淡水魚である鮎。天然物では河川の水温が上昇する6月ごろ海から戻り遡上してくるこの時期に多く出まわります。鮎は新鮮なものを内臓ごと食べるのがおいしいとされています。なぜかというと河川で岩についている珪藻や藍藻を餌にしているので、新鮮な鮎はキュウリのようなよい香りがするからです。そのため「香魚」とも呼ばれています。ですから濃い味付けの料理よりも素材の風味を生かした塩焼きが最もおいしくいただけるのです。本来は内臓ごとなら栄養も余すところなく摂れます注2)。
旬の食材は入手しやすく価格も手ごろ、味がよくて栄養価も高いのです。毎月旬のおすすめ食材を使った献立の日に是非ご注目ください。
~健康倶楽部はチルド商品なので、食材の食感や風味を存分に感じてお召し上がりいただけます!~
注1) | アミダグリンが体内でシアンに変化。特に種子に多い。天日干し、焼酎に浸ける、40度以上の加熱により分解されます。また完熟梅では毒が分解されています。 |
注2) | お届けする料理からは内臓は取り除いて調理しています。 |