健康のすすめ『ヒートショック対策』
〈ヒートショック対策〉
「ヒートショック」とは、急激な温度変化が影響して血圧が変動することで起こる健康障害で、心筋梗塞や脳梗塞といった疾患を引き起こす要因となります。近年、この原因による死亡者数が増えており、社会問題として注目されるようになりました。暖かい部屋から寒い浴室(脱衣所)やトイレへ移動すると身震いするようなことがありますが、この寒暖差がヒートショックの起こりやすい状況なのです。丁度、寒さを迎えるこれからの季節に多く見られ、特に、65歳以上の方や高血圧、動脈硬化、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などの疾患のある方は影響を受けやすいことが報告されています。
中でも「高血圧」や「動脈硬化」は、ヒートショックにより循環器疾患を発症するリスクが高いと言われています。
そこで今月は、この2つに焦点を当て予防におすすめの栄養素や食品についてご紹介いたします。
≪是非とも摂りたい栄養素≫
・オメガ3脂肪酸
青魚に多く含まれることで知られるDHAやEPA、また植物由来のα‐リノレン酸のことで、食事から摂取しなくてはならない必須脂肪酸。高血圧、動脈硬化対策にも役立ちます。
DHA・EPA:いわし、さば、さけ、さんま、まぐろ(とろ) 等
α‐リノレン酸:くるみ、えごま油、亜麻仁油、大豆 等
・3大ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム)
カリウム:血中のナトリウムを尿中に排泄させ、血圧を下げる効果が期待できます。
カルシウム:不足すると血管を収縮させて血圧を上げる要因になると言われます。
マグネシウム:血管を広げて血圧を下げる働きを示すと言われます。
・ビタミン(E、C):強い抗酸化作用を示し、ビタミンEとCを一緒に摂ると効果的と言われます。
・食物繊維:血中の余分なコレステロールや塩分を排泄してくれる働きがあります。
・クエン酸:血小板が必要以上に集まるのを防ぐ効果や血圧を下げる効果も期待できます。
≪特におすすめの食品≫
【青魚】
いわし、さば、さんま等の青魚に多く含まれる“EPA”は、血中コレステロールや中性脂肪を下げて血栓を予防し、赤血球を柔らかくして血液をサラサラにする等の効果が期待されています。また、血流を良くし、血圧を下げる作用も知られており、積極的に摂ることで“ヒートショック”予防に役立ちます。
【ナッツ類】
食物繊維や抗酸化作用を示すポリフェノールを含み、LDLコレステロールを減らしてコレステロール値のバランスを整える等の働きにより、動脈硬化の予防効果が期待できます。
くるみ:植物由来のオメガ3脂肪酸をナッツの中で最も多く含みます。
アーモンド:血行促進作用を示すビタミンEや血圧を下げる効果の期待できるリノール酸も含み、“ヒートショック”予防にも役立ちます。
【野菜・果物】
ビタミン、ミネラルが豊富で、動脈硬化の原因となる活性酸素を除去する働きを示す抗酸化作用があります。
食物繊維の豊富なきのこ類も含め、下記以外の様々な種類もバランスよく取り入れるように心がけましょう。
玉葱:“ケルセチン”と呼ばれるポリフェノールを含み、血流の改善や脂質類の吸収を抑えて体外へ排出する働きが知られており、血液サラサラ効果が期待できます。
ブロッコリー:野菜の中でもビタミンCはトップクラス。β‐カロテンも多く、抗酸化作用を示して動脈硬化予防も期待できます。
さつま芋:イモ類の中でもビタミンCが多く、カリウムや水溶性食物繊維を豊富に含む他、抗酸化作用を示すと言われる“アントシアニン”が皮に多く含まれます。
キウイフルーツ:ビタミンCが豊富で、カリウムや食物繊維も果物の中でも多く含まれます。
【海藻類】
ミネラルの他“アルギン酸“を豊富に含みます。これは、昆布、わかめ、ひじき、もずく等の主成分で天然の食物繊維として知られており、血圧の上昇を抑制したり、コレステロール値を下げる効果が期待できます。
【酢】
クエン酸が豊富なお酢類は、黒酢、もろみ酢、果実酢等、ご自身のお好みのものをドリンクやお料理に加えたりして取り入れることがおすすめです。
上記でご紹介した食品を食べるだけでなく、浴室を温めておく、お風呂のお湯を熱くし過ぎない、食後の入浴を控える等の対策を心がけ、“ヒートショック”を予防しましょう。
~ヒートショック対策におすすめの11月メニュー~
6日 |
朝食②「梅昆布汁」 朝食④「ブロッコリーと茄子の胡桃和え」 |
![]() |
11日 |
夕食②「さばの薬味醤油焼き」 | |
19日 | 朝食②「紫玉葱のピクルス」 | |
22日 |
朝食④「いんげんのアーモンド和え」 | |
24日 | 夕食⑥「さつま芋とパインのきんとん」 |
※詳しくはメニューカレンダーの献立表をご覧ください。